長野県では、マルメロを「花梨(かりん)」と呼び古くから愛用されてきました。バラ科に属し、春には白色又は淡紅色の可憐な花を咲かせ、秋には黄金色の実が熟します。

とても堅く、特有の芳香を放つ果実

かりん(マルメロ)は元々中近東が原産で、中国を経て日本には1600年頃渡来し、その後諏訪にもたらされたと言われています。バラ科の落葉樹です。

花は淡赤色、4月〜5月上旬に咲きますが、リンゴやナシが一芽からたくさん咲くのと異なり、先端に一花ずつ花をつけることが特徴です。秋には黄金色の実がなり、何とも言えぬ芳香を放ちます。次第に葉は落ちていきますが、実が落ちることはございません。そのため、観賞用として用いられることが多く、12月中旬〜下旬まで楽しむこともできます。



かりんは水分も少なく、果実が大変堅いためにスライスするのも苦労します。渋柿以上の渋さは、そのままでは生食できません。食用には砂糖漬け、蜂蜜漬けなどに用いることが多く、果実酒やジャムにも加工されます。

おもしろい利用法もあります。かりんは強い香りがあるため、果実をそのまま置けば、玄関、部屋や乗用車内の香りづけにもなります。



かぜ・せき止め・利尿に効果有り!

かりんは漢方薬として古くからぜんそく、せき止め、利尿などに利用されており、最近では健康食品として一般に愛用されるようになりました。また、輪切りにした果実を乾燥保存し、これをせんじてのどの薬として用いることもあります。


信州では、秋の収穫期には、各家庭でスライスしたかりんを甘く漬け込み、お茶受けにしたり、蜂蜜漬け、焼酎漬けにして風邪のシーズンに備えます。